介護タクシー事業の将来

まず介護・福祉タクシー事業の現状で以下を確認しました。

  • 平成29年を境に台数が伸び、令和元年で3万5千台と伸びている
  • 政府は令和7年度までに9万台を目指している

そして、介護・福祉タクシーの市場規模で以下を確認しました。

  • 介護・福祉タクシーの客層は65歳以上が約80%を締めている
  • 令和7年度の高齢者は3600万人と推測される

令和7年度の時点で1台あたり高齢者400人の交通を支えることとなります。
もちろん単純計算のようにはいかないことは考慮すべきですが、内閣府試算では令和22年(2040年)に高齢者数のピーク(4000万人)が訪れ、令和47年(2065年)で3400万人と高止まりになっています。
これらを見ても介護・福祉タクシーの市場における潜在顧客は少なくはないと見ていいかと思います。

1日の運行パターンを読み解く

介護・福祉タクシーの利用目的で確認したとおり、主な外出目的は通院・リハビリ・デイサービスといった療養施設への通院となっています。

そして出発の時刻は9時をピークとした午前中に集中し、帰宅は12時と16時前後の2回にピークが来ています。

また、1回の移動時間は30分以内が90%以上を占めていました。

これらのことから次のような運行パターンが考えられます。

  1. 8時台から営業の開始
  2. 9時をピークに午前中で3~4本の運行
  3. 午後は午前中の乗客の復路と新規運行1~2本
  4. 運行の合間に救援事業で買物等の代行を行う

客単価を往復で4千円とすれば日当1.6~2.4万円。月に26日稼働で40~60万円と目星がつけられます。

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